1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ
2017
「テキトーな子育て」って、あんがい難しいんだな、これが。
だって、世間様は子どもの行動の逐一を「親のしつけがなってない」「この親にしてこの子あり」って、母親のせいにするじゃないですか。
そんな緊張感の中で子育てしていれば、いつのまにか鬼ババと化してしまうのも「そりゃそうだろ」って思っちゃうんだけど、それを客観視するほどの勇気はないわけで(知りたくない)。
だから、この手の本ってあんまり読みたくなかったんですよ。
だって、すでに世間からチクチク言われているのに、なんでわざわざお金だして「お説教」されなきゃなんないの?って、思ってたから。
でも、そっちょくな感想をいえば、予想に反してこの本はお説教くさくなかった。だから最後までぐんぐん読めた。
それは多分、1つ1つの教えが本当に「脱力系」だったから。そして、「まじか。それでいいんだあ」っていうゆるい教えが、じんわりとあとから沁みてくるタイプの本だったんですよね。
たとえば、「子育てに自分を犠牲にしない」というページで推奨されている方法なんかがいい例かも。
「テキトー母さんは、イライラしてたり疲れていたら耳栓とアイマスクを使います」とかね(笑)。
だけど、紐解いていくとたしかにその通りで、子どもをどなりちらして「子どもはシュン」、「あとから自分も反省」なんてしているよりもこの方がずっと生産的なんですよ。「相手を変えるより、自分の状況を変えるほうがてっとり早い!」という結びの言葉には、「たしかに!」と膝を打ちました。
「こうあるべき」を押しつけない育児本だから、長く愛されているんでしょうね。
ダイアモンド社で編集をされている今野良介さんが、日本実業出版社にいたときに出版された育児本です。
ちらほらと4コマ漫画なんかもはさんであるので、活字が苦手な人でもツルツルっと読めてしまう、おすすめの育児書でした。