道を継ぐ

3月
2017
28

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「上阪徹のブックライター塾」の一期生で、ライターであり、すでに何冊もの自著を出されている日本初のヘアライター、佐藤友美さん(さとゆみさん)の新刊です。

2016年には『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)を出版し、以来、テレビをはじめとするさまざまなメディアに露出されているさとゆみさんですが、その原点は、「カリスマ美容師ブーム」で、雑誌のヘア特集を担当したことにあるのだとか。

本書は、そんな、ある一人のカリスマ美容師さんのお話。49歳でこの世を去った伝説の美容師 鈴木三枝子さんの「生きざま」を、1年半をかけ、およそ190人に取材して完成させたという、渾身の一冊だそうです。
泉岳寺にある鈴木三枝子さんのお墓には、8年を経てもなお、ひっきりなしに人が訪れており、さとゆみさん自身も、会話という会話をしたのは1度きりだというのに、今でも「こういうとき、あの人だったらどうするかな」と考えるという。

なぜ、彼女は亡くなってもなお、多くの人に強い影響を与え続けるのか。
鈴木三枝子さんとは一体、どんな人だったのか?

いやーもう、「はじめに」から、熱量の高い言葉がズシズシと心に響いてきて、ページをめくるこっちの指が火傷するんじゃないかっていうくらいに、とにかく熱い! その熱気に煽られるようにこちらのボルテージも上がり、一気に読んでしまいました。

口が悪い。ときには手もでる。人とは「向き合う」、どころか「取っ組み合う」。
とてもスマートとはいえない鈴木さんの「生きざま」だけど、その泥臭さのコアな部分にこそ、単なる懐古主義的な職人魂を超えた、どんな人にも共通する本質的なアンサーがあったように思います。

なんというか、アッパレ。アッパレな人生。

当たり前だけど、美容師さんって、「職人さんなのだなぁ」とあらためて実感させられました。世襲制ってわけじゃないし、粋な和服を着ているわけでもないけれど、職人さんかどうかって、もしかしたら仕事への向き合い方そのものによるのかもしれないなあ。

読み終えて、パタンと本を閉じた表紙に、「ああ、このタイトル以外はないなあ」「ああ、この表紙しかありえないなあ」と思えたら良書、という自分なりのセオリーがあるのだけれど、まさに、そのまんま。読んで損のないおすすめの良書です。