最近のライターのお仕事

11月
2017
08

posted by on ライターの仕事, 読んだ本と映画とか

今年も残すところ1ヵ月半。
すさまじいスピードで日常が加速していく現実に、すでに恐怖すら感じ得ないのですが
みなさんはどうですか?

私の、2017年のライターとしての目標は、
医療系だけでなく、子育てや、自分なりに社会的意義が感じられる仕事を
どんどん増やしていくこと、でした。

これは2度の出産を経て、40歳という大きなボーダーを目前に控え、
限られた自分の(加速する)時間を、今後、どのようにつかっていくかということに、すごく意識が向くようになってきたからなんですよね。

そんな今年、もっとも刺激的だった仕事が、
「soar(ソアー)」という社会的マイノリティの可能性がひろがる瞬間を伝えるメディアでお仕事をさせてもらったことでした。

今日まで2本の記事が公開されているので、お時間があればご覧いただけるとうれしいです。

1つは、骨肉腫によって右腕を肩から離断された女性を取材した
こちらの記事。
http://soar-world.com/2017/09/19/natsuko-kurasawa/

もう一つは、利用者さんの個性を仕事にする福祉事業所を取材した
こちらの記事です。
http://soar-world.com/2017/11/01/nuca/

どちらも1万字超えですが
このサイトの特徴で、画像とのバランスがよく、読みやすい文体となっているので
さらりと読み進めていただけるかと思います。

だけどこのサイト、実は、ふわりとしたデザインの印象とは裏腹に
これまでにないほど、その取材がハードなんです。

たとえば、腕を失くされ、当時を振り返り涙を流している方に向かって

「腕を失くされたときの気持ちはどうでしたか?」
「ご自身が障害者となり、どう感じられましたか?」

という、とてもシビアな質問をしなければならない。

正直、初めての取材では私にはそれができず、
不甲斐ないのですがフォローしてもらう場面もありました。プロとして、そんなのどうよ!って落ち込んだりもしました。

これ以外にも学んでいることは本当にさまざまあるのですが、
最大の学びは、やはりこれかな、と。

それは、「自分の書いている言葉の位置づけが変わった」ということ。

たとえば、医療記事によく出てくる「患者のQOL」という言葉。

これまでは、そこに誰かの顔が浮かんでくることはなかったように思います。
言葉はあくまで額面通りの意味でしかなく、その言葉の深さや、重みを理解することなく、安易に言われたまま文字を綴っていたように思うんです。
つまり、そこには実感が伴っていなかった。

だけどsoarでの取材を通して、
この、たった6文字に込められている、社会に生きる患者さんの生活が、
ほんの少しだけ垣間見れたような気がしています。ほんとうにほんとうにほんの少しではありますが。

こんなにも多くの人たちの悩みや苦しみがそこには込められていて、
そういう人たちを必死で支えようと日夜努力している人たちがいる、という現実。

そうした事実を知って書く6文字と、知らずに書く6文字って
文字だけ見ていたらなんの違いもないですが、
もしかしたらその違いは、読者にはちゃんと伝わっているんじゃないのかな、って思うんですよね。

文字って、字面以上の情報を発する媒体だから。

だからこそ、社会に発する自分の書いた言葉が
どのように社会の中で位置づけられているのかを常に意識しなければならない。
でないと、やっぱりその言葉は宙にぽっかりと浮いて誰の心にも届かないから。

若いうちならそれでもフレッシュさが漂って好意的に見てくれる人もいるのかもしれないけど、40歳にもなると、そうはいかない。

40歳になると、発する言葉には「軸」のようなものが必要とされるような気がしています。

それには、もっともっとたくさんの知識と経験を身体をつかって得ていく必要があって、そう考えると、気が遠くなる作業量にもう頭がくらくらしてしまう。

だけど、私は他人の言葉を扱わせてもらっている立場だから。
むしろ他人の言葉だからこそ、私がその言葉の意味合いを変えてしまうようなことがあっては絶対にいけないのだと思います。

それが、ライターという仕事。

どんな仕事も、知れば知るほど奥が深いのだなあ。

言葉を味方につけられるか、敵に回すかは自分次第なのだなあ。
襟を正す日々。襟を正す年末です。