本嫌いになったわけ

2月
2016
15

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今でこそ本をつくるお仕事をさせていただいているのだけれど、
高校生までのわたしは、まるで読書が苦手だった。

それが今では、一冊の本を編集したりブックライティングしたりするのに、
12〜15冊は読まなくてはならなくなり、
それ以外にも読みたい小説、知りたい物語がいくつもでてきて、
だいたい、ひとつきに10冊以上の本を読むようになった。

そんな、わたしの変化を知った実家の母が、
先日、ぼそりと「あなたが昔本嫌いになったのは、わたしのせいかもしれないね」
と言った。

わたしには3歳つ年上の姉がいるのだけれど、

「小さいころは、おねえちゃんの年齢にあわせた絵本ばかり読んでいたから。
難しくて『つまらない』とごねるあんたを、わたしは叱ってばかりいたんだよねえ」

と。

飽きっぽい母のことだから、きっと、なんども読んだ本をまた読みきかせるのはめんどうだったのだとおもう。

たしかに、「読書の絶対数が足りていないよなあ」 という自覚がある。
漫画や映像にはとことんのめり込んだのに、
なぜ、ここまで活字に拒否反応がでるものかと、ふしぎにおもったこともある。

だけど、3歳になる娘の保育園の教育方針には、
「あえて、数字や文字はおしえないようにする」というものがあって、
それは、好奇心をためてためて、それが満ぱいになって知ったことというのは
短期間で見事マスターし、そのものに対する興味も長く失わないという理論からきているそうだ。

ひとの体も、飢餓状態になると
次に食べたものの栄養の吸収率がぐんとあがるらしいけれど、
それと、同じことなのじゃないかとおもう。

「情報飢餓」なんて、いまの世の中に生きていたら滅多に味わうことができない。
そりゃあすごい吸収力となるのだろうさ。

わたしの本嫌いも、そういうものだったのかもしれないな。
なまじ、当時から本を読みあさっていたら、
いまみたいに、「言葉とはなんぞや? 」なんてことには
まったく興味がわいていないのかもしれない。

人生なんて、まるで想定外。