おじさんのかさ

2月
2017
10

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小学校1年生か2年生のときの国語の教科書にのっていて、
大好きだったのが、この「おじさんのかさ」というお話。

だけど、これ佐野洋子さんの絵本だったんですね。知らなかった。

おじさんはとても立派な傘を持っているんだけど、
どんなに雨が降っても傘をささないで、大事そうに抱えている。
子どもに「入れて」って言われてもきこえないふり。

だけど、子どもたちが楽しそうに雨に濡れる傘のうたを歌っていたから、
好奇心からとうとう傘をさしてみた。
そして、「これもいいもんだな」ということにはじめて気づいて、家に帰って濡れた傘をたびたびながめる。

子どもの頃は、「雨なのに傘をささないおじさん」ということが、すごくおもしろかった。子どもって、傘が好きなんですよね。傘で空が飛べるって本気で信じているし、傘ごしに見える景色は、いつもとはちょっとちがって見えた。

そして、子どもって大人に「教えてあげる」のが大好き。
だから、子どもの何気ない歌によっておじさんの心が変化して、傘をさすにいたるなんてストーリーはたまらない。

おじさんは今見るととてもキュートな人で、おじさんだけど子どもみたい。
いや、おじさんって案外子どもみたいなのかもしれないけれど、
そこには子どもみたいな好奇心がまだちゃんとあって、
だから、子どもはきっとこの絵本が好きなんだ。おじさんのことをきっと、仲間だと思っている。

そして、常識的であるはずと信じていた大人という人物が、大人らしくない行動をとっていることがたまらなくおかしいんだと思う。

久しぶりにこの絵本を開いて、
「おじさんって、なんで傘ささないんだっけ?」と、その事情ばかりを気にして読み進めていたことにハッとした。
ずいぶんつまんない大人になっちゃったなあ。と思った。

人の行動のすべてに意味があるもんだなんて、決めつけてしまうような大人になってしまったんだなあ。
意味不明な行動なんて、子どものもっとも得意とするところ。
そんな気持ちを忘れてしまっていた私は、子どもから一番遠い場所にいる人だ。

いつだって、親なんて子どもからは一番遠い場所にいる。
この絵本に出てくるおじさんのような部分を忘れたくない、と思った。